1.本コースでは、鹿児島大学獣医学部学部生(1-6先生)を対象に参加者を募集、15名が参加した。UGA(USA)は2名、中興大学(台湾3名)が参加。COIL講義は、4回の講義を行い、ネット配信と直接聴講が可能とした。講義終了後に4年生の学生を中心に、3大学で、ディスカッションとレポートの作製を行った。
実際のexchange として、鹿児島大学からは、UGAに2名、中興大学に3名が行き、UGAから1名、中興大学から3名が交換留学として鹿児島大学に来て、Hands on practiceとし、各大学の附属動物病院で研修実習をおこなった。この際に、各学生はより深い交流を行った。
学年を超えて、モチベーションの高い学生主体のコースとしているので、参加者が多くはないが、参加学生の意欲は高く維持できたと考えられる。
COIL講義に関しても、自由な時間に再度聴講できるように企画することで、学生に合わせた時間で行え、それぞれの学生のペースで理解を深めることが可能であった。講義テーマは学部教員3名が、全く異なるテーマで講義を行うことで、通常の獣医学部のコース講義とは異なるものであり、学生の興味も高かった。講義聴講の後、海外の大学の学生とSkypeなどを通じて、講義に関するディスカッションも行うことで、各国の学生の意識レベルの違いなどを認識できたことは成果として大きかった。
特に世界的な獣医学の問題である越境性疾患に関する講義を鹿児島大学の教員がCOILで行い、各大学の学生が、実際に現地で学習する内容と照らし合わせてディスカッションされた。これはOne world, one healthの概念の教育として重要であるが、アジアの異なる国と米国という、環境の異なる地域の学生が実際に意見を交換することで、より実際の問題として受け入れられる。鹿児島は国内有数の畜産地帯であり、さらに、日本の南の玄関(つまり、防疫の前線)であることから、これらの問題を獣医師として考える非常に良い地域である。同じように台湾やジョージアでも、特有の疾患があり、これらの情報を交換することで、学生には新しい知見が実感された。
2019年度は、世界展開力の全体シンポジウムを獣医学部の学生が主体となり開催した。企画運営をほとんど学生に任せて行った。特別講演の講師は中興大学より招聘した。シンポジウムを自分たちで企画することは、教育効果として大きかったと考えられる。特に、今後、学会やシンポジウムなどへ参加することもあると思われる学生にとって、グローバルアカデミアの裏側も少しでも理解できるいい機会だったと思われる。