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オンラインで行う日米韓合同インタープロフェッショナルアクティブ・ラーニング

実施形態:ハイブリッド型
実施日:2021年 10月 4日〜2021年11月 5日(同期型2回10月6・7日)
担当教員・所属:八代利香(鹿児島大学医学部保健学科)
相手校名:中央大学校赤十宇看護大学(大韓民国)、べレアカレッジ(アメリカ合衆国) 
担当教員・所属:Hee Chong Baek・中央大学校赤十字看護大学,Monica Kennison・べレアカレッジ
実施授業科目名 (鹿大):チーム医療実習
                   (相手校):Community Health Nursing
使用言語:英語
使用プラットフォーム/ソフトウェア等:Zoom
参加学生人数(鹿大):120名
               (相手校):67名(大韓民国)、14名(アメリカ合衆国)

・本COILの目的や達成目標
本コースは、異文化理解、グローバルリーダーシップ、ルーラルナーシングをテーマとしている。2021年度のCOIL授業の目的を「隔絶性の高い離島で暮らす高齢者が住み慣れた地域で、可能な限り自分らしい暮らしを続けるために、包括的な支援体制の構築をめざした在宅ヘルスケアの基本的アセスメント能力を向上させる」、達成目標の一つを「多言語グループ学習において異文化能力を開発できる」とした。

・具体的な実施内容
2021年10月、保健学科3専攻(看護学、理学療法学、作業療法学)4年生が「チーム医療実習」の科目で韓国と同期型、米国と非同期型のCOIL授業を行った。韓国と米国の学生はいずれも「Community Health Nursing」の科目で実施された。 2020年度に保健学科3専攻の教員が作成した動画「離島住民のバーチャル家庭訪問を教材としたヘルスアセスメント教育(日本語版・英語版・韓国語版)」を教材として用いた。また、教育効果を高めるために、授業の目的・目標、方法、評価、注意事項等を記載した要項を日本語と英語で作成し、2020年度に開発したアセスメントシート(記録用紙)を修正・簡略化して日本語と英語で作成した。これらの作成に際しては、米韓のカウンターパート教員(Dr. Monica Kennison,Dr. Hee Chong Baek)および保健学科WGメンバーと協議を重ねた。 本学学生は、10月4日のオリエンテーション後、各自manabaで韓国のヘルスケアシステム講義動画と動画教材(日本語版)を視聴した。その後、3専攻学生120名を18グループに分けてグループワークを行い、10月6日に中央大学校赤十字看護大学(韓国)学生67名を上記18グループに振り分け、英語でグループワークを行った。韓国学生は事前に動画教材(韓国語版)を視聴した。そして、10月7日には、日韓学生でグループ発表と全体ディスカッションを英語で行い、その様子の動画をべレアカレッジ(米国)に送った。 べレアカレッジ学生14名は、動画教材(英語版)と日韓学生の発表とディスカッションの動画を視聴した後、10月18日にグループ発表とディスカッションを行い、その様子の動画が本学と中央大学校赤十字看護大学に送られた。本学学生はべレアカレッジの動画を視聴し、各自ファイナルレポートを提出して、COIL授業が終了した。また、3カ国の学生のグローバルコンピテンシーについて、COIL授業前後でBEVI評価を行った。 ・結果(目標達成度合いの評価、学生の反応や変化、今後の課題など) レポートからの本学学生の学びとして、「都市部とへき地の医療サービスの格差の問題は日米韓同様に深刻」、「各国には類似点と違いがあり、多様性を認めながら医療を改善することが重要」、「家庭訪問の際の看護(患者の声に耳を傾け、共感し、コミュニティリソースを提供)は共通している」、「韓国や米国では看護師の行える仕事の範囲が広く、看護師が診断、治療、薬の処方ができる。この制度が日本にも広がることを願っている」、「日本は、高齢者が自分のコミュニティで暮らすのを、彼らが望むように、より積極的に支援すべき」、「国民皆保険制度は世界に誇れる日本の制度」、「お互いの国を知ることによって重要な解決策を見つけることができる」、「地方と都市部を連続体と考えることを学んだ」等であった。 また、本学学生の感想として、「グローバル化の時代に医療者として活躍するために必要なグローバルな視点を学べた」、「これからは、国際的な視点で物事を考え、グローバルな視野を持ちたい」、「このCOILは相互学習を深めるきっかけとなった」、「自分の国と他国の医療の違いを見て、視野を広げ、より良い医療を考える機会になった」、「この講義で学んだことは、将来、大いに活用できる」、「異文化の中で生活してきた人たちと医療について話し合う機会を得て嬉しく思う」、「同じテーマを話し合うことで自信が深まり、専門分野をより学際的に学問的に学ぶ気持ちになった」、「言葉の違いを乗り越えて会話をするのが楽しかった」、「非常に充実した時間を過ごすことができ、参加したすべての学生に感謝したい」、「他の国の学生と話し合うのはとても有益な経験であり、この機会を与えてくれた先生たちに心から感謝している」、「米国のプレゼンテーションは非常に教育的であった」、「米国の学生は大人のように見え、明確な意見を持っている」等であった。 本学学生レポートの評価は良好であったが、今後、海外学生のレポートと3カ国学生のCOIL前後のBEVI評価を分析し、次年度に向けて改善を行っていく。

・備考等
2020年度に作成した動画教材は、東京サウンドプロダクションから年内にVOD、年明けにはDVD(二層化:日本語版、英語版、韓国語版)で出版される予定である。

COIL発表会記事(南日本新聞2021年10月15日より転載)
発表とディスカッションの様子(上段:韓国学生との同期型、下段:米国学生との非同期型)