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タイ・メーファンルアン大学との食品安全に関する双方向講義

実施形態:同期型
実施日:2021年10月18日〜2021年11月28日
担当教員名・所属(鹿大側):濱中大介・農学部
相手校名:メーファンルアン大学(タイ)
担当教員名: パンシリ・スティラック
 実施授業科目名(鹿大):国際食創システム学・国際食創システム学特論   
                   (相手校):Food Plant Management and Sanitation
使用言語:英語
使用プラットフォーム/ソフトウェア等:Zoom
参加学生人数(鹿大):6名 (学部3年生5名、修士1年生1名)
                (相手校):47名(学部3年生)

 食品製造時の安全性について、HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)をベースとした品質マネジメントを理解するためには、製造現場に直接赴き、五感をフル活用するとともに、現場担当者に対して効果的なヒアリングを行うことが重要である。本コースでは、タイの食品工場を訪問することで、現場感覚に富んだ実習を実施する予定であったが、当地へ赴くことが不可能であったため、タイと日本の食品安全に関する取り組みの違いを理解することを目的として、Zoomを用いたCOILを行った。

 鹿児島大学側は国際食創システム学および特論、タイ側はFood Plant Management and Sanitationの講義における一コマとして実施した。食品安全に関する規格基準は、GFSI(Global Food Safety Initiative)にベンチマーク認定された規格のコア部分が共通しているものの、中小の食品企業をターゲットとした規格では、CodexHACCPあるいはGHP(Good Hygiene Practice)をベースとして、各国の政府が主導して基準も採用されている。日本では、2020年に施行された改正・食品衛生法によって、全ての食品事業者がHACCPの考え方を取り入れた衛生管理の実施が義務化されているが、そのサポートとしてJFS-A/B規格があり、現在、日本国内に浸透しつつある。このような背景について、Food Safety Standard and Management System in Japanと題して話題提供した。Zoom上でリアルタイム講義を行い、その中でケーススタディとして、食品製造の不備なポイントと、“もし、あなたが監査員ならば、どのような要求事項に対して不適合と評価するか?そしてその程度はどのくらいか?”という質問とともに、後日提出のとりまとめレポートの提出を課題とした。

 食品衛生の監査は、明確な“正解”は無い。消費者の安全を確保するために何が必要か?そして何が足りないのか?という視点のもと、講義中にも様々な発言があり、また、とりまとめレポートも、重要なポイントはしっかりとまとめられており、日本の事情を含めた食品安全の背景について、多くの学生が理解できたものと考えている。今年度は引き続き、タイ側の事情を、パンシリ先生に説明してもらうととともに、食品衛生の考え方について、日・タイの類似点や相違点について、ディスカッションを重ねていく予定となっている。