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環境建築デザインコース (2018-2019)

2018年度には、2020年度に本格実施を計画するアメリカでの共同ワークショップの準備活動として、鹿児島大学の教員・大学院生をタスキーギ大学に派遣した。米国アラバマ州のタスキーギ大学は、歴史的黒人大学(HBCU)の伝統校で、こうした教育機関における最古の建築プログラムで知られる。そのキャンパスおよび地域には、歴史的背景を色濃く反映した、素朴だが重要な建築遺産が多数存在する。
タスキーギ地域に存在する、アフリカ系アメリカ人の築いてきた建築・都市の歴史的遺産に関する調査と次回の活動計画の検討を行った。

2019年度には、インドネシア・スマランに、アメリカ・タスキーギ大学の教員・学生を招聘し、日本・鹿児島大学の教員・大学院生とともに、ソロおよびスマランの多様なコミュニティの建築遺産に関する現地調査と、その活用に向けた建築的提案を行った。インドネシア・中部ジャワ州のディポネゴロ大学が立地する都市・スマランは、往時の姿を良く留めるオランダ人居住区を核として、アラブ系・中国系などの諸民族が形成するカンポンからなる多様な都市環境を特徴とする。

建築分野の国際交流活動のメリットは、言語によるコミュニケーションのみならず、ドローイングなどによる視覚的コミュニケーションが可能な点、その成果が地域の人々へも伝わりやすい点がある。2019年度インドネシアでの活動発表会は、地域住民も交えて行われた。言語は英語で行ったが、上記のメリットが発揮されたと考えている。

建築環境プログラムでは、このように、各国における文化的重層性に焦点を当てながら、各国・地域の中心的文化とその多様性を学ぶことをテーマとしている。そのなかで、熱暑や暴風雨(台風、ハリケーン、サイクロン)といった三地域に共通する自然環境に対する地域ならではの建築学的対応についても学び、地域の個別性とグローバルな共通性とを結び付けた環境課題の理解を深めることを目的とする。