台湾 淡江大学

こんにちは。私は2016年2月から2017年1月まで台湾の淡江大学に留学していました。

一年間の留学を通した海外体験を紹介したいと思います。

台湾について

台湾は沖縄の南西、中国大陸福建省の対岸にある島国です。鹿児島からは飛行機で約二時間の距離にあります。国土面積は九州と同じくらいの大きさで、亜熱帯~熱帯に属するため夏はたいへん暑く、雨が多い地域です。かつて「Formosa」(スペイン語で「麗しの島」の意味)と呼ばれた台湾は、自然に恵まれた美しい国です。公用語は北京の人が話す中国語と同じです。

淡江大学について

淡江大学は台北からMRT(台湾の地下鉄)に乗って40分ほどで着く街、淡水にある私立総合大学です。学生数が2万8000人とたいへん多い、大きな大学です。私が学んだ淡水キャンパスはとても広く、構内にコンビニやカフェがあったり、夜間も学習室が開放されていたりと、充実した学生生活を送ることができました。

学校生活

淡江大学では、所属学部に関わらずどの学部の授業も履修することができます。渡台した当時、私は中国語をほとんど話すことができなかったので、留学前期は日本語文学科の授業を履修しました。台湾で日本語がどのように教えられているのかを学ぶとともに、台湾人学生が日本語を習得することや日本に関する調査に協力をしました。外から日本語にふれることにより、改めて日本語の難しさや美しさについて考えることができたと思います。また、親しくなった日本語文学科の学生と授業外でも語学交換をし、互いに語学力を高めることができました。

後期は大体中国語の授業を聞けるようになっていたので、留学生向けの授業や、日本企業に関する授業、そして英語の授業を履修しました。特に留学生向けの授業では台湾の歴史や文化について様々な国と比較して学ぶことができ、国際的な広い視野を身につけることができたと思います。

語学学習

私は、大学一年生時に第二外国語として中国語の授業を履修しましたが、読み書きはできてもコミュニケーションできるほどの語学力を習得することができませんでした。なのでこの留学を通して、絶対に中国語を流暢に話せるようになりたい、と心に強く決めていました。

留学生向けの中国語の授業は、月、火、木、金曜日の18:10~20:00に開講されていました。クラスは初級、中級Ⅰ、中級Ⅱ、進階(高級の意味)Ⅰ、進階Ⅱとレベル別に分けられており、新入生はテストを受けてクラス分けが行われました。私は前期は初級クラスに入り、中国語の発音や日常会話など、基礎をじっくり学びました。読み書きの学習よりも、話すことに力を入れた授業内容だったため、クラスメイトと楽しく中国語を学ぶことができ、毎回の授業が楽しみでした。

後期は2つレベルを上げて中級Ⅱのクラスに入りました。前期と比べて授業内容が難しくなり、学ぶ量も増えたため、授業についていくのに必死でした。分からない点があれば、寮生に質問し、納得するまで復習をしました。授業こそ大変でしたが、ボキャブラリーや習った文法が増えたことにより、中国語でのコミュニケーションがどんどん円滑になっていくのを実感することができ、モチベーションを維持できたと思います。

寮生活

淡江大学には留学生が住むことのできる寮が2つあります。1つは女子寮の松濤宿舎です。私は麗澤宿舎で留学生活を送りました。寮は1階の地下と2階のロビーにテーブルやソファがあり、学習や食事をとる寮生と交流できる場があり、よくにぎわっています。2階と3階に男子の部屋が、4階と5階に女子の部屋があります。寮のドアはオートロックになっており、セキュリティはしっかりしていると感じました。1つの部屋に3人から4人が生活し、国籍が大体ばらばらになるように部屋割りされています。部屋には机、ベッド、クローゼットがあり、プライベートな空間はありません。フロアにシャワー室とトイレがあり、共同で使います。台湾人学生も何人か住んでおり、私たち留学生の生活をサポートしてくれました。

私は前期は台湾人と韓国人の3人部屋、後期は韓国人とインドネシア人、モンゴル人の4人部屋と、多国籍な空間で生活することができました。多国籍ゆえにトラブルもありましたが、それをなんとかして乗り越えようとする、問題解決力が養われたと思います。渡台当初はプライベートな空間がないことになかなか慣れませんでしたが、ルームメイトと仲良くなるうちに共同生活が楽しくなり、家族のような存在の関係を築くことができました。授業で中国語を学ぶだけでなく、彼らと一日中コミュニケーションを取る環境にあったので、実践的な中国語を身につけることができたと思います。また、台湾人の寮生が毎週末のように台湾を案内してくれたので、たいへん充実した留学生活を送ることができました。彼らには本当に感謝しています。

旅行

学校がない日はよく旅行に出かけました。台湾は交通費や宿泊費が安く、気軽に旅行することができます。韓国人のお姉さんと2人で1週間にわたる台南・高雄旅行、10人規模の大人数での鹿港・台南旅行、日本人の友人との苗栗旅行・台東への卒業旅行など。ホームシックになったこともありましたが、全ての旅行がいい思い出であり、これらの旅行を通して台湾と日本、そして自分自身をじっくり見つめることができたと思います。

留学生活を通して

今、留学生活を振り返ってみて、最も大変だったことは留学前の資料作成や情報収集、気持ちの整理だったと思います。留学前は分からないことだらけで、たいへん不安でした。特に中国語が話せなかった私は、ちゃんと生活することができるのか、友人ができるのか、などと心配事がたくさんでした。しかし、いざ台湾に着くと、周りの人に助けられながらも、なんとか生活を送ることができました。このことから、何事も勇気をもって挑戦すれば、困難にぶつかりながらもなんとかして達成することができる、と考えられるようになりました。

留学はしたいけど不安だな、、という方、いらっしゃると思います。しかし、いざ現地に着いてしまえばなんとかなります。

少しでも留学に興味のある方はぜひ勇気を出して一歩踏み出してみてください!