韓国・釜山大学校に留学

私は、法文学部人文学科多元地域文化コースの前畑美早季です。
韓国の釜山大学校に2019年2月28日から2019年12月23日まで、留学していました。
はじめに
留学先である釜山に行ったことは一度もなく、留学で初めての釜山だったため、何も分からないまま行くことになりました。ただ、現地でできた友人が釜山に関することを教えてくれて、時間が経つにつれよく理解できるようになったため、地理感覚がない私でも土地を把握して慣れていくことができました。コロナの影響は受けずに留学を終えて帰って来れたのも、非常に運が良かったし、2年生で決断した自分に対しても正しかったと振り返って思います。

留学前について
まず留学のきっかけとして、周りの友人の存在がありました。元々、高校生の頃から韓国の文化(特にk-pop)に興味があり、韓国語もかじっていましたが、大学に入り最初の頃に自ら声をかけて韓国人の留学生と友達になり、その後も中国人の留学生と仲良くなったりして、周りが国際色豊かな友人が多かったこともあり、外国に対して非常に強く関心を抱くようになりました。彼女たちが、日本に来て大学に入学し、母国語以外の言語で学んでいる姿に憧れを持ち、自分もせっかくの大学4年間という時間を他人とは違う貴重な経験をして過ごしたいという考えが生まれ、留学に強く興味をもちました。ただ、留学をすることに不安や心配などがあって、なかなか勇気が持てずにいました。1年生の後期に行われた派遣留学の説明会に参加し、そこで先輩方の様々なお話を聞いたり質問に答えて頂いたりしたことで不安や心配が取り除かれ、実際に留学に踏み出す後押しになったと考えています。
留学を決め準備が始まると予想以上に苦労しました。まず、釜山大学校に送る資料を英語で書かなければならず、長文もあったため時間が非常にかかり苦労しましたが、周りにチェックを頼んだりして工夫しながらやり遂げることができました。また、ビザの申請も入学許可証や航空券の手配など様々な期限や手順に追われながら福岡での手続きだったため、焦りや本当に大丈夫なのかという不安があり、留学前の準備は緊張しながら取り掛かっていました。できるだけ早めに準備できるものは自分で確認して準備しておく方が後々焦らずに済み、万が一不備があってもやり直す時間ができるため、準備の段階では特に早めの行動を心掛けるべきだと学ぶことができました。

ある授業のテスト前の風景

留学中を振り返って
留学中で一番苦しかった時期は、最初の1、2ヵ月の頃でした。自分の韓国語の能力が足りず、街に出ても授業でも相手の話している内容が聞き取れず、私も言いたいことを表現しきれない状態で非常につらく体調があまり良くない時期がありました。ましてや、新しい環境で住む環境も周りの人間(友人)もご飯もガラッと変わり順応しきれていなかったため余計に心の休まりどころがなくストレスを多く受けていました。ただ、これらは時間が解決してくれるということを留学で学びましだ。時間が経つにつれ、耳も慣れて言語で苦労することも少なくなり、寮や食事にも慣れ周りの友人ともだんだん仲良くなっていったことで不安やストレスが解消され、自分がその環境に適応していくことができました。
そして、留学中に楽しかったことはサークルでの活動です。韓国人の学生が留学生に韓国語を教えてくれるというサークルですが、8割は野外活動で色々なイベントに参加したり旅行に行ったり、ご飯を食べたりと様々な国の友人もでき思い出として非常に強く残った経験でした。

ある日の寮食

寮について
私は留学中寮に滞在していましたが、まだ建設されて1年も経っていないくらいの新しい寮だったため、非常に清潔で快適に生活することができました。ただ、2人1部屋であったため同部屋の学生と生活のリズムが違ったり個人の時間があまりなかったりして少し窮屈に感じることがありました。また、食事は寮食を週7の昼夜の2食を利用していましたが、あまり自分に合わない味も多くメニューも同じようなものが続くこともあったため、その面ではストレスを受けることも多かったです。
寮の食事が合わなくて、新たな環境でストレスが多く落ち込む時期もあった中で、心の支えになったのが、同じ釜山大学に留学している日本人の友人や日本食でした。日本人の友人たちと皆で集まってご飯を食べたり遊びに行ったりすることでそれぞれの悩みを共感したり、つらかった経験を共有したりして情報交換をすることで孤独感を感じずに、安心できる存在がいたことは非常にありがたかったと考えます。また、運よく韓国には日本食のお店が多くあり、釜山大学の周りにも日本人が経営している沖縄料理屋さんなどもあったため、寮の食事に飽きた時などは外食でバランスをとるようにしていました。
サークル活動
サークルでの活動について具体的に写真を交えて紹介します。学期の始まりと終わりには必ず会食をし、皆で集まって話しながらご飯を食べるのが非常に盛り上がり楽しい時間でした。また、野球観戦にも行ったり、砂の祭典や花火大会、キョンジュという地方に旅行に行ったりとその他にも様々な活動をして充実した時間を過ごすことができました。ここで友達になった人たちとは今も連絡を取り合っており、このサークルに参加して良かったと改めて感じています。
留学でし残したこと
留学でし残したこととして、1つ目は人脈づくりです。サークルの活動では様々な交流ができましたが、それ以外の自分の行動で何か人脈を広げられたことがなく、特に1学期はイベントへの参加に躊躇してしまったことを後悔しています。もっと自分から積極的にアクションを起こして、声をかけて人脈を広げる努力をすべきだったと反省しています。
2つ目は、専門の授業を受けることです。基本的に言語教育院で韓国語の勉強をしていて2学期に1つだけ政治外交学科の授業を受けましたが、学科の授業を受けたのがそれだけだったため、もう少し学科の授業をとって韓国人の学生とともに専門的な内容を学習できれば、より貴重な経験になったのではないかと考えています。
そして最後に韓国国内の旅行です。留学中には韓国の国内の4つの地域ぐらいしか旅行ができず、授業の発表の準備や予習復習の忙しさはあったにせよ、もっと時間を有効に使って韓国国内を巡ればよかったと今になって後悔しています。勇気をもって、色々な地域に足を運ぶべきだと反省しました。今後、留学に行かれる方はぜひ少しの時間でも色々な場所に旅行することをおすすめします。

慶州に日帰り旅行

帰国後の変化
留学を通して語学以外にも学んだことは多く、帰国後の考え方や行動にも変化がありました。まずは、報道や情報を鵜呑みにしないように意識するようになったことです。私が留学していた時期は日韓の政治関係が非常に険悪な状態でしたが、日本で報道されるほど現地は荒れておらず、落ち着いた雰囲気で人々も普通に接してくれる状況で、そこで報道と現実のギャップのようなものを感じました。そして、帰国してからは色々な情報を疑いなく信じるのではなく、気になることは自分なりに調べて多角的な視点で事象を捉えるよう、行動が変わりました。
そして、2点目は生活の中で発せられる多様な意見を素直に受け入れられるようになったことです。留学で自文化の考え方ではない人々と接し、多様な考え方や意見があることを学びました。多様な意見を1度自分の中で受け入れてから、自分の考えを伝えることが多文化の中で生活する上で重要だと感じ、その意識をもって行動するように心構えが変化しました。
3点目に多少のトラブルに遭遇しても落ち着いた行動ができるようになったことです。留学中には、慣れない環境下での生活で思わぬトラブルに遭遇することもありました。それに比べると、帰国後の生活では自国ということもあり何かトラブルや思わぬ出来事に巻き込まれても、比較的落ち着いて何とかなるという精神で行動ができるようになったため、このことが留学前後の変化とも言えると考えています。
最後に言語を学ぶ楽しさを知り、追求するようになったという変化があります。留学を通して語学力の向上を達成できたと考えていますが、帰国してからは韓国語だけでなく他の言語も勉強してみたいと考えるようになり、少しずつ始めているところです。これも、留学で言語を学び、できるようになる達成感や楽しさを知るなかで表れた意識だと考えており、今後もさらに言語を追求し磨きをかけていくつもりです。

釜山で有名な場所:海雲台

将来の計画や取り組み
最後に将来の計画や取り組みについて、現段階では明確なことは決まっていませんが、就活で直接的に留学が生きてこなかったとしても、その先で何か韓国や韓国語に関係する仕事に携わりたいと考えているため、そのためにも今は語学力の更なる向上のために再び言語の勉強に励むべきだと考えています。
また、留学ではつらいことや悩むこともあり、実際に留学自体をしなければ分からない苦しみを知ったため、その経験を生かして日本に留学している留学生の支えになる存在になる活動ができればいいなと考えているところです。まずは、身近な留学生の友人などの話や相談に乗ることから始めようと思います。